子どもと共に成長する:児童福祉分野での発達支援の最前線
下記の記事をピックアップしました。
東武よみうり(2023/06/20)
・単に 施設としての児童福祉支援を行っているだけではなく、制度の隙間を埋めるようなインフォーマルな支援をしている。
・公的な支援だけでは足りないとする個々に合わせた配慮は発達支援の基本。
・専門的な支援も必要だが、「人」としての発達を促すのはこのようなインフォーマルな支援だと思う。
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上記記事の要約
松伏町(埼玉県越谷市)に新しい児童福祉事業所「カラフル」が合同会社スコップによってオープンした。
スコップは特定非営利活動法人としても活動し、作業療法士らが結集している。
施設は発達障害に特化し、ASD、ADHD、SLDなどに対するアセスメントと支援を提供している。
現在、約20人の児童生徒が通い、様々な活動を楽しんでいる。施設は多機能型で、放課後等デイサービスや発達支援などを提供している。
松永さんは作業療法士であり、自立支援専門員、社会福祉士、保育士でもある。
施設では他に介護福祉士や調理師・自動車整備士なども資格として持つ職員が関わり、遊びを提供している。
施設の魅力の一環として料理も挙げられている。
施設は月曜から土曜の午前10時から午後7時まで営業し、小学生から高校生までの利用者は車で送迎される。
施設内には広間、食堂、コンピュータールーム、音楽室などがあり、柔軟なスケジュールで様々な活動が行われている。松永さんは将来的には施設を2か所に拡大する可能性も示唆している。
子どもと共に成長する:児童福祉分野での発達支援の最前線
保育士などを取得されている方が、児童福祉の業界に入るとき「発達支援に興味」を持たれ 転職活動をする方が多いように思います。
保育士の方は、基本的に保育園などでの勤務歴があるので、そこから発達支援に関心を持たれた方が多いように思います。
実際、公的なサービスにおいては、専門的な知識があった方がいいことは確かですが、「 専門的な知識・資格だけで発達支援がいい方向になっていくか?」と言われるとそうではありません。
基本的には発達支援は「家庭での過ごし方」によって大きく変わってきます。
例えば、公的な機関または学校・保育園等で専門家が丁寧に(療育など)教えたとしても それは長くても昼間の8時間ぐらいです。
24時間のうち、あと16時間は家庭で過ごすのです。
つまりは、家庭での支援が必要になってきます。
ですので、児童福祉の世界は子供が対象ではありますが、子供が取り巻く環境にアプローチしないと良い発達支援は難しいものです。
そこで今回ピックアップした記事は「遊び」を提供しながら、公的サービスにないインフォーマルな支援を行っています。
記事の内容では、自由に体験を通じて子供の成長を見守っている様子があります。
しかし、それは「多くの経験をさせる」という成長を刺激するようなプログラムになっているように思います。
記事の中では、専門的な支援が必要であるとも述べてありますが、 まずは「子どもたちの居場所を作る」ことが重要なところです。
発達障がいのある児童は居場所がなく、ネガティブな気持ちで過ごしている児童も多く、ケアが遅れると二次障害で精神症のような状態も出るのです。
ですので、発達支援の経験が未経験であろうが、児童福祉分野に転職に興味を持ったなら、「専門知識がないことを デメリットに感じる必要はない」といえます。
それより子どもと向き合うことが心構えとして必要です。
ただし、子どもたちの未来に影響する立場になることは間違いありませんので、そのことは 転職する際は意識しておいた方がいいかと思います。
児童福祉分野での発達支援の最前線:なぜインフォーマル支援が必要なのか
障がいのある児童は、「特別支援学校」という選択肢が取れる場合は、法律に基づき特別支援を受けることは可能ではあります。
発達障がいに関しては、まず親自身が受け入れないこともありますし、専門機関の診断を受けられなかったケースもあります。
診断を受けたとしても強く現れていないために、様子見で終わったケースもあります。
様々なケースがあり、検査はようやく受けることができても、診断がされるかといえば別の話になります。
子どもが大きくなってから強くなっているケースもあったり、サポートを受ける事自体が遅れてしまう傾向にあります。
子どもの過ごしている環境も様々なケースがあるため、学校や福祉的なサービス事業所では十分なサポートを受けられない場合もあります。
ですので、そのような 隙間を埋めるようなサービスがあると包括的に支援しやすいということは間違いありません。
また、個別のニーズに対応するために様々な専門職と組み合わせた方がいいことは児童福祉のみならず、社会福祉の基礎的な考え方です。
記事であったように「遊びを提供するため」に福祉とは一見関係ない資格を持っている職員が遊びを考えたりすることは、素晴らしいことだと思います。
これは実に多職種連携の考え方で、専門家集団ではない包括的な取り組みができると思っています。
「福祉」は異なる分野で共存できる大きな社会分野になります。
ですので、他分野の専門家の力が十分役に立つのです。
これにより、それぞれのニーズに的確に対応できます。
学校や他のデイサービスに適応できなかった経験のある子どもたちにとって、新しい場所での居場所が重要です。
公的サービスではサービスの提供時間が「集団」としてある程度決まっています。
ですので、柔軟なスケジュールや様々なアクティビティが提供され、子どもたちが自由に過ごすことができる場所は子供の精神的な成長にも寄与するのではと思います。
児童福祉分野での発達支援の最前線:学校や保育所・幼稚園だけではすでに子どもは成長できない
個人的な考え方ではありますが、学校や保育所や幼稚園などでは、「こどもはすでに成長できないのでは?」と思っています。
今現在では、共働きの両親がほぼ大半を占めていますし、家庭の中で大人と過ごす時間というのは、30年ぐらい前よりも減っているはずです。
また、少子化もあり「子ども同士で過ごす時間」も減ってきています。
つまり、大人と接する時間が少ないということは、学ぶ時間が少なくなっているということになります。
大人と過ごす時間が多ければ、学校以外で学ぶことも自然と身につけることができますが、 今現在、それがないと仮定するのであれば、学校や保育所や幼稚園で身につけるものは最低限であり、それ以外は身につけられないまま大人になることになります。
ですので、発達障がいというのは、環境的なものが原因のケースもありえる可能性は十分あります。
(発達障害がどのようなメカニズムで発生するか、原因は科学的には確定されていないと認識していますが、一概に先天的な脳機能の特性などによってだけではないケースもあり得るのではと経験から思います。)
つまり インフォーマルな支援は何も今までなかったわけではないのです。
「今まであったんだけども、それが失われた」だから復活させなければならないという考え方が個人的にはしっくりきます。
児童福祉分野での発達支援の最前線:インフォーマルな支援の問題点
インフォーマルの支援の問題点は、基本的には公的なサービスではないので、それに対する報酬制度などが整っていないことにあります。
ですので、インフォーマルなサービスが必要だというのがわかっていても、一般的には広がりにくい状況にはあります。
ですので、何らかの利益が得られる経済活動をしながら、加えてインフォーマルなサービスを提供することが 一般的だと思います。
このようなことが今後、社会的にも広がっていくと仮定するのであれば 、児童福祉分野というのは大きく他分野と協働して仕事をしていく必要が出てきます。
つまりは、今後求められるのは発達障がいの専門というよりは、児童福祉の専門家が多く必要になってくるのではないかと思います。
まとめ:子どもと共に成長する:児童福祉分野での発達支援の最前線
個人的な考え方で児童福祉分野を語りましたが、今後はインフォーマルなサービスがメインに児童福祉分野はなっていくはずです。
ですので、児童福祉分野への転職を目指すのであれば、公的な機関のサービスは限定的な領域になり得るかと思います。
児童福祉分野が未経験の方や、これから勉強したい方はむしろフォーマルなサービスをしながらインフォーマルなサービスも提供しているような事業所が候補として良いかもしれません。
そのような事業所であれば勉強はしやすいはずです。
例えば、放課後等デイサービスをしながら「月1回は地域の子どのたちに子ども食堂を提供している」など、そのような児童福祉全体を支えるような活動をしていると、やりがいも 感じやすいと思います。
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