介護や福祉の職場で円満退職するための2つのポイント
人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
「スッキリと退職したい!」
「引き継ぎをうまくして退職したい」
退職するときに、「円満に退職したい!」それは真っ当な考えです。
せっかく人生の中で、「一緒に働くことになった職場」です。
できれば、「ケンカ別れ」しないで円満に別れたいものです。
今回は「介護や福祉の職場で円満退職するための2つのポイント」をお伝えしたいと思います。
・介護・福祉職で円満退職をすることを考えている方へ
\ あなたにとって理想の職場/
介護や福祉の職場で「円満退職する」とは?
介護や福祉の職場で「円満退職をする」ということは、イメージとして「職場が快く退職を認めてくれて、次のステップへの応援をしてくれる」ことです。
特段、揉め事がなく労働契約も解除することができ、「将来的に困ってしまう時があったら、戻ってきても良い」と承諾してくれるほど、不満なく退職できることを指します。
介護・福祉業界問わず円満退職をすることは、転職活動をしやすくするための必要なステップだとは思います。
しかしながら、人材不足の業界または職場であれば、「人材が流出する」ことは経営的に死活問題になることもあり、「退職させてくれない」ということになりかねません。
世間的には「退職代行サービス」ができるほど、「労働契約に沿った退職の申し出」をしても辞めさせてくれない状況が一般的に多くなっています。
そのようなお困りごとであれば、よかったら参考にどうぞ。
円満退職というのはなかなか難しいもので、ただでさえ人手が少ない中、自分から退職をすることは後ろ髪を引かれることもあります。
そのため、優しい人ほどなかなか言いづらく、かかったり悩んだりすることが多いのではないでしょう。
しかし、多くの退職者を見てきて、円満退職をする方には2つのポイントが共通していると思います。
その1つが個人的な理由であり、もう一つが告知のタイミングです。
介護・福祉の職場:円満退職になるための全体的な戦略
GOALは円満退職となりますが、大きなポイントは「引き止め交渉まで発展させない」ことです。
引き止め交渉をされると、それを断るという形になりますので「決裂」になります。
円満退職はできないということになります。
つまりは、引き止め交渉をされる前に、引き止めは無理だと思ってもらうことが必要になります。
もし次の転職先が決まっているかどうかは、聞かれた時に嘘をつくのはやめたほうがよろしいと思います。
決まっている場合は、「決まってます」とはっきり言った方がいいです。
「次はどんな仕事か?」「次の職場はどこだ?」 と聞かれた時には、それに答えるかどうかは、ご自身の判断でよろしいかと思います。
しかし、あまり「次の職場がどこだ」という問いに関して、詳細を述べるのは避けた方がよろしいかと思います。
職場の上司によっては、「次の職場を平然と批判した言動」を行ったり、「次の職場にいらぬ情報を流すトラブル」も予測されます。
「転職先が決まっているか?」だけは、答えた方がよろしいかと思います。
理由として先に述べた通り、「引き止め交渉をしづらくさせる」ことが必要になってきます。
つまりは、転職先がもし決まっているのであれば、引き止め交渉は無理だと思ってもらうことができるのです。
退職は労働者の権利であるため、職場内の規則に沿っていれば基本的には問題ありません。
しかし「良い仕事をしてきた人材ほど手放したくない」ことは通常のことです。
ですので、「人材不足」である介護・福祉業界で勤めている状況では、「退職に対する引き止め」はありえると思った方がよろしいかと思います。
特に退職が相次いでいる職場は確実に引き止め交渉があると思います。
介護や福祉の職場で円満退職するポイント:個人的事情を活用する
家庭の事情であれば、どうしようもないこともあり得るので、「引き止め交渉がしづらい」という印象を抱かせることは可能です。
ただし、育児や介護休暇に関する制度を取り入れているところであれば、まず「制度を利用して考えてみたら?」となると思いますので、家庭の事情に関しては言いづらい部分があります。
それよりも、個人的な目標として「こういことをやってみたい!」「こういう夢がある!」そのような理由がよろしいかと思います。
例えば、「今は高齢者分野での仕事をしているが、知識を深めるために障害分野でも働いてみたい!」こういった個人のキャリアに対する目標は、実際「引き止めづらい」のです。
その目標を、否定するような強引な引き止め交渉をせざるを得なくなります。
本人の目標を否定する方法を取るのであれば、そもそも「まともじゃない」可能性があります。
一般的な上司というのは、その目標に関して応援する立場に回ると思います。
ただし注意点として「常日頃こういうことを考えている」ということを、上司に話しておくことは必要だと思います。
個人的なものを理由にすることは、円満退職に有効なことではありますが、いきなり退職とセットに言われると上司の心証が良くありません。
そのために「円満退職をするために」は、準備期間があった方がよろしいかと思います。
「退職を考えている」といきなり言わずに、常日頃から上司とのコミュニケーションはあったほうがよろしいかと思います。
「前から言っていたから、強い決意なんだろう。仕方ない。」と、思わせれば「まともな職場」であれば、円満退職に繋がり「次のステップへの応援」をしてくれると思います。
個人的事情を活用する:注意点
個人的な理由が目標や成長に関するものであれば、引き止めや交渉が難しいことがありますが、注意点があります。
それは、その目標がその職場につながるものであれば、「なぜその職場で実現しないのか」という疑問が生まれ、矛盾が生じる可能性があることです。
たとえば、「介護福祉士の勉強をするために退職したい」となれば、「うちの職場で目指せば良いのではないか?」という提案が出てくる可能性があります。
「もっと地域に出る仕事がしたい」という場合も、「地域連携室に異動する」ことが提案されるかもしれません。
そのため、このような交渉が申し込まれた場合は、それが決裂させることになり、円満退職にはつながりません。
したがって、その矛盾を避けるためには、ちょっとしたストーリーを作ることが必要です。
例えば、「介護の仕事をしてきて福祉用具に関することに興味を持ちましたので、福祉用具関連を次の目標にしたいと思っています」といったストーリーであれば、その関係のところにしかできないビジネスがあるので、提案できるものが関係の会社を紹介するぐらいしかないと思います。
そのため、交渉できる材料を想定することが必要です。
介護や福祉の職場で円満退職するポイント:告知するタイミング
円満退職を目指すなら、最低でも半年前には退職予定を報告し、できれば1年以上前から計画することが重要です。
このような事前報告があれば、人事担当者は事前にその話を受けていたことが明確になります。
それにより、引き継ぎや準備期間が確保され、うまくいかなくてもその準備期間があったことで周りから非難されることはないでしょう。
多くの退職者が3ヶ月前や1ヶ月前になって退職を考え、円満退職を目指そうとしますが、相当厳しいです。
急に退職が決まると周りからは、「急な退職」と受け取られ円満退職とは言えません。
つまり、告知するタイミングが退職日までに長ければ長いほど、準備期間の余地がお互いに生まれます。
たとえば、「子どもが大学を卒業するまで4年間ありますが、卒業したら退職も考えています」というように前もって伝えることで、その期間を想定して人事を進める必要があります。
ただし、期間があまりにも長いと昇進や昇給などの強化が難しくなる可能性がありますので、バランスを考慮しながら計画することが重要です。
経験的には、1年ほどの期間があれば、円満退職に繋がることが多いと言えます。
退職理由にも1年間もあればリアリティがでてきます。
介護や福祉の職場で円満退職する【NG】ポイント:不満を理由にしない
退職届けを出すとき、職場の不満や不安は言わないことが鉄則になります。
職場に対する不満や不安で、退職に至ったとしても、それを上司に述べることは印象が良くありませんので避けるべきです。
円満退職のためには、言わずに我慢しておくことが賢明です。
もし「対立」に発展してもよろしいのであれば、不満を伝えてもいいとは思いますが、去ることを決意した職場にあなたの意見を反映させる道理はありません。
「対立」に至らなかったとしても、その「不満の部分を解消する」ことを、上司が約束することによって引き止めの条件とすることもありえます。
例えば、人間関係に不満があって、「特定人物が嫌だ」との理由で退職に至ったとします。
その場合、上司が「苦手な特定人物」を人事異動等を考えることを条件に引き止め交渉をすることもありえます。
その説明に納得できるのであれば、応じることも一つあり得ると思いますが、満足のいく変化が生まれるとは限りませんし、「うやむやにする」ことも考えられます。
ですので、個人的なものを理由にしましょう。
まとめ:介護や福祉の職場で円満退職するための2つのポイント
円満退職に関しては、「時期」も絡んできます。
可能であれば、できるだけ繁忙期には避けた方がよろしいかと思います。
ただし、介護や福祉のサービスでは、繁忙期という概念があまりなく年間を通じて忙しいこともありえます。
タイミング的には、年末や年度末前が一般的です。
多くの場合、就業規則等によって、「退職の申し出を1ヶ月前に行う必要がある」とされていると思われます。
これは勘違いしやすいポイントでありますが、「最低限の期間」が設けられているだけです。
退職は本人の申し出があれば構わないところがあるものの、お互いの歩み寄りとして1ヶ月という期間が決められているため、実際には1ヶ月前に退職の手続きを始めても、準備が十分に間に合わないことが多く、トラブルの原因となることがあります。
それが引き止め交渉につながり、円満退職が難しいことがあります。
円満退職を目指すなら、1年前から準備し、個人的な事情に「どうしようもない」とリアリティーを人事担当者に感じさせることができます。
しかし、半年以内での退職報告であれば、「個人的な事情」にどれだけストーリーを持たせるかで変わってきますので、なるべく早い方が良いです。
無事円満の退職ができたら、次のステップに向けて準備しましょう、
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
ご参考になれば幸いです。