介護・福祉の仕事:業務の効率化がしにくい5つの理由
人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
介護施設で介護職(福祉職)として仕事している方は、「こういう部分を改善したら、もっと効率がいいのに・・・」と職場に提案しても、全く変わらなかった経験ありませんか?
いろんな施設でお勤めになったことがある方は、事業所によって「業務効率の意識に違い」があることを感じませんでしたか?
長年その職場(介護施設等)で勤務してきた方は、「業務効率化に成功したことで、働きやすさがすごく向上した経験」はありませんか?
「業務効率化が必要だ」と自覚しながら、介護・福祉の施設・事業所は業務効率化がしにくい実態があります。
ひどいところは「業務を効率化する意識も軽薄」な職場もあります。
転職におすすめな施設の風土は「変化を求めている」ことがポイントです。
これは介護施設だけではなく、介護・福祉業界全般にいえます。
今回は「介護・福祉の仕事:業務の効率化がしにくい5つの理由」をテーマにお伝えしたいと思います。
・介護職(福祉職)をしていて業務の効率化に悩んでいる方へ
・介護職として勤めるなら、「行動力と変化」をする職場がスキルアップもできます。
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介護・福祉の仕事:業務の効率化がしにくい5つの理由
「介護・福祉の仕事」において、変化や新しいアプローチを受け入れることが難しい現状が見られます。
これは、経営が安定しているため、変化の必要性を感じにくいという大きな理由があります。
実際には財務的な厳しさがあると言われていますが、そうした状況こそが「業務の効率化」や「改善・改革」が求められる絶好の機会と言えます。
しかしながら、各施設には「自らの仕事の進め方」に対して変革が難しい背景が存在します。
安定的な経営から、変化を恐れず新しい挑戦に果敢に取り組むことができないため、業務の改善や効率化がなかなか進まないことがあります。
業務の効率化がしにくい状況が生まれると、職場の風通しが悪くなり、職員のモチベーション低下の原因ともなりかねません。
一方で、一部の介護施設では新しいアイデアを導入することで業務の改善を進めています。
例えば、パソコンの活用により書類の作成や管理などの事務作業が効率的になり、職員の業務負担が軽減されました。
また、利用者にとって使いやすい環境や設備の整備も進み、ケアの質が明らかに良くなっていることもあります。
特に業務の効率化を進めている事業形態としては、訪問介護等の「在宅福祉」が強いように思います。
一方で、新しい試みを取り入れられない施設も存在します。
今後は、経営が安定していても、常に変化や新たな取り組みを進めることを求めていかないと、倒産も考えられます。
1.介護・福祉の仕事が業務の効率化がしにくい理由:いまだに紙媒体に依存
介護や福祉の施設や事業所で、情報技術(ICT)をほとんど使っていないところが(いまだに)たくさんあります。
大きな理由は、介護士も高齢化しているケースが多いことです。
これは、比較的規模が小さい介護福祉事業によく見られます。
今まで通り、書類や伝票、手帳など、紙で管理することが多いです。
介護や福祉の仕事は、直接的なサポートだけでなく、書類の作成や管理などの事務仕事もたくさんあります。
しかし、事務員を専任で採用している職場は少ないです。
事務員がいない職場であれば、介護・支援職員が「事務仕事もする」ことが、一般的ですが、負担軽減が進んでいることはたしかです。
ICTを利用することで、介護記録や書類管理や予約管理、請求書の作成などが効率化され、職員の負担が少なくなると期待されていますが、ICTに強い職員が介護職として、雇用できないことがあります。
専門の職員であれば、「人件費が増える」という悪循環に至るケースが多いです。
しかも、ICTの導入には初期費用や運用費用がかかるため、経済的な負担が大きいという問題があります。
ICT技術に強い職員がいれば、比較的すぐ解決することも多いことも事実ですが、介護施設のICT化は導入もシステム管理もかなり課題が多いことがあります。
また、アプリやシステムの利用に不慣れな職員も多く、利用方法やトラブルの解決方法を教育する必要があります。
そのため、ICTを導入するタイミングや内容については、施設や事業所によってさまざまな考え方があり、業務の効率化が進まない理由になっています。
2.介護・福祉の仕事が業務の効率化がしにくい理由:長時間働くことで人材不足をカバーしようとする
「介護・福祉業界における人材不足問題」で特に深刻なのが、「職員が長時間労働を当たり前と考え、人手不足を埋めるために働いている」という実態です。
残念ながら、このような状況は今でも介護・福祉業界では普遍的なものとなっています。
長時間労働の問題は、少しずつ改善されているものの、この状況は職員にとって「非常に劣悪な状況」を強いており、健康被害につながる場合もあります。
このような現実があるにも関わらず、業務効率化が苦手な職場は「精神力で乗り越えるだけだ」として、この状態を放置してしまう傾向があります。
「なぜ既存のやり方を続けるのか?」
その答えは、管理能力や遂行能力の不足にあることが考えられます。
また、変化を拒む雰囲気もあると言えます。
これが最大のネックとなっています。
例えば、介護職員の中には業務改善に向けてアイデアを提供しているところもあるにも関わらず、改善策が実現せず結局、長時間労働や残業時間が何も変わらないこともあります。
3.介護・福祉の仕事が業務の効率化がしにくい:ルーティン化している
「一度学習したことを忘れること」は非常に勇気がいると言われていますが、この習慣を変えることは非常に困難です。
このため、長年続く「ルーティン業務」や「習慣」であれば、変えることは困難であると考えられます。
たとえ、業務の効率化をするための新しい取り組みだとしても、ルーティン業務を変えることに苦痛が伴う場合があります。
また、「煩わしい仕事でも、誰でも簡単にできる職場の状況が多い状況下では、それが楽な状態だという誤った錯覚が起こりがちです。」
例えば、本当に効率が良いという状態は
・60分かかっていた仕事を15分でできる
・5人必要な仕事を1人でできる
このようなことが業務の効率化・改善ということです。
浮いた時間や人材は、もっと必要なところに注力すればよいのです。
このような業務の効率化・改善を考えられない状況の職場は、非常に無駄が多いのです。
「きつい・つらい」といわれる介護・福祉の仕事でも、業務改善・効率を徹底的に行えば、楽な仕事に変貌することだって可能なのです。
これが介護・福祉業界の中で、少しずつ増え始めている「ホワイトな職場」ともいえます。
4.介護・福祉の仕事が業務の効率化がしにくい理由:挑戦することが苦手
介護・福祉業界は、「挑戦をする」ということが苦手な傾向があります。
社会福祉事業として「挑戦をする」ことは、日々のルーチンワークに加え、「何か」新しいことに取り組まなければならないことです。
つまり、人手不足で忙しい現実の中、さらに負荷をかけることは、職員にとって大変な負担になってしまうという考え方が支配的です。
しかし、社会貢献活動として「何か社会問題に取り組むための独自の努力」はしていく必要があると思います。
確かに、負担はかかるものです。
誰もが業務負担を避けたいと考えることでしょう。
しかしながら、余力を出すための業務の効率化をするための変化までも避ける傾向から、挑戦することさえ苦手になっている傾向があります。
もしある業務が負荷を増やす結果となったとしても、「業務効率化を達成することで、以前よりもはるかに負担が軽減される」という目標を持ち、前向きに取り組むことが必要です。
つまり、「業務負荷が増す」といった理由だけで、変化を避けることは、目標を失うことにつながってしまいます。
5.介護・福祉の仕事が業務の効率化がしにくい理由:教育体制が弱い
介護技術や支援技術を指導する人材は、職場の中には多いです。
しかし、介護・支援の教育体制だけを考えているのでは、現代の社会に対応しきれません。
教育体制は、専門的なノウハウや職場の方針を提供することはもちろん、事業所のビジョンや経営的な感覚も教えていく必要があります。
例えば介護・福祉業界の中で、長年働いている職員は、「業務の効率化や経営的な知識」「リーダーシップ」を全く教育されていません。
そのため、「教育できる体制ができている職場」と「教育する体制がない職場」では、どんどん差が広がっている現実があります。
まとめ:介護・福祉の仕事:業務の効率化がしにくい5つの理由
介護・福祉施設は、変化に対応しないと時代に取り残される可能性があります。
そして最終的には淘汰される危険性もあります。
「人材不足を解消しよう」と頑張っている進化・変化を求めている施設はたくさんあります。
しかし、全てが成功するわけではありません。
現状を変えるチャンスがあるのです。
業務改善に成功している施設では、もちろん余裕も生まれます。
「無理をしない仕事ができる」と同時に「給与も改善されている!」という施設・事業所も存在します。
そのような職場を見つけ、働くことができれば、必ず介護・福祉の仕事は楽しいと感じることができるでしょう。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
参考になれば幸いです。