人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
「業務効率を求められるけども、利用者へのサービスの質の低下が心配・・・」
「現場の方針はわかるけど。なんか納得できない」
介護の仕事をしていく中で、納得できない状況はあると思います。
働くスタイルによっては、「目指す介護のあり方」について、職場の方針と自分自身の考え方が違うこともありますよね。
例えば、定年退職をしてセカンドライフとしての働き方を求めている方は、やはり仕事を忙しくこなしたいことよりもゆっくりと自分のペースでこなしたいという考え方になりやすいと思います。
ただし職場によっては同じ人件費ですから、他の職員と同じぐらい働いてもらわないと困るのが経営側の本音です。
また忙しい職場であるほど、人間関係として「他職員のサボり」という状況に見えることは人間関係が乱れるきっかけになりやすいものです。
正社員として、待遇を確保した働き方をしようとするのであれば、安易に「介護職であるから介護をしておけばいい」という考え方では、もはや通用しない業界です。
待遇には相当な差があり、後で後悔する可能性もありますよ。
今回は「介護職が身につけるべきスキル:現場で差が出るたった1つのこと」をテーマにお伝えします。
・介護(福祉)職を続けていくことに迷っている方へ
・介護(福祉)職が身につけるべきスキルは、業務効率における「問題解決能力」です。
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介護職の「問題解決能力」が必要な理由
介護職や福祉職においては、問題解決能力が重要であるという言葉は長年にわたり言われてきました。
「なぜ問題解決能力を必要とされてきたか?」理由の多くは、介護や支援業務など、直接サービスに携わる際の能力として必要とされてきました。
たとえば、「利用者が抱える課題に対する問題解決を提供する」ことが福祉関係者のサービスの根本であり、今でも重要な要素であります。
介護や福祉的なサービスが必要な方に対する問題解決能力は、様々な局面で考慮され、介護(福祉)職を選ぶ際に、現場で伸ばしやすい能力でもあります。
しかし、現在必要とされているのは、経営課題に関する問題解決能力です。
これはある意味、経営者や管理者が担うべきものではありますが、個人が持つべき重要な能力となっています。
なぜなら、働き方や働く人が多様化している現代の介護・福祉業界では、経営者や管理者1人だけでは事業を健全に継続させるのが難しくなっているからです。
介護・福祉業界のホットワードは業務効率化
職場が介護(ケア)の業務効率を求めている理由としては、出来る限り介護報酬を得るための売上にかかる部分が欲しいことがひとつの理由になってきます。
「利用者1人の介護に対する報酬の支払い」は、現在では「一人に対してどれだけサービスを提供したか?」よりも、「施設において、どれだけの人数にサービスを提供したか?」が、主軸になっています。
「介護報酬は提供人数が基準となる一面もある」ため、利用者1人にどれだけ潤沢なサービスを提供したとしても、報酬に大きく差が出ることはありません。
ですので、なるべく「多くの方に介護サービスを提供する」ことが考え方の軸になってきます。
「多くの方に介護サービスを提供する」状況だからこそ、「職員1人が何人の利用者にサービスを提供できるか」が考え方として必要になってきます。
利用者一人一人のサービスの提供時間を限りなく少なくして、万遍なく行き渡るように工夫する必要があるのです。
もちろん、このことは極論的な考え方ですが、介護報酬をしっかりと確保して行くことを考えるとこれに基づいた考え方は必要になってきます。
ただし、介護報酬を目当てに利用者を確保もしくは、サービス時間を限りなく少なくしていくとサービスの質が低下することになります。
「サービスが必要な方に対しては、必要なサービスを提供する。」
「サービスが必要のない人には、過剰には提供しない。」
「介護をする量」をしっかりとコントロールしていかなければ、介護の質というのは確保しにくいのです。
介護の質の考え方は少し変わってきている
過去「介護の質」は、「一人一人に対して、どれだけ手厚くサービスを提供できるか」ということが考え方の基本になっていましたが、この考え方は時代に合わない考え方になってきています。
そのため、介護の時間を限りなく少なくして、サービスを手厚くするのであれば、利用者は自己負担をすることが基本です。
これが、介護・福祉業界だけではなく、医療・看護業界でも同様のことが起きています。
つまり
上記が今の時代の考え方となります。
しかし、業務効率を追求しすぎていくと。利用者離れとなりますので非常にバランスが必要になってくることも事実です。
限られた経営資源で、なるべく財務の健全性を確保していくために業務効率を求めて行くことが理由になります。
効率化されないと「介護の質」は低下する
業務効率をあげることが、介護の質のサービス向上につながることは先述しましたが、そもそも介護サービスの質が低い職場の特徴は、「現場が上手く回っていない」ことが挙げられます。
例えば、「利用者情報などの共有ができていない」「コミュニケーションができていない」ということになってくると、実際に事故が起きたりまたは、担当者によっては知らないことから、クレームが発生したりとトラブルが発生しやすくなります。
実際には、このようなことが「介護サービスの質の低下」につながってきます。
「サービスの質の低下」を考えると、個人の技術不足を真っ先にあげる専門家もいますが、介護の業務に関する個人のスキルは、現場での教育体制がしっかりとしている職場も増えてきています。
ですので、「個人の介護技術が、介護の質の低下につながる」という考え方はよりも、「職場全体としてうまく回っていないこと」が大きな「介護の質の低下」の原因になると思います。
介護の業務効率を求めるとケアの質も上がる理由
業務効率をしっかりと求めていくと、個人のスキルも上がっていく傾向にあります。
これが介護の質が上がる根本的な理由です。
個人のスキルが上がってくると、職場の業務システムが上手く回り始めてきます。
つまり職員一人ひとりが、その業務効率をしていく環境に慣れていくということが大きいです。
「慣れる」ことが生まれてくると、この中でサービスの差配ができるようになってくることが多いです。
これがいわゆる「介護の質も、業務効率も担保できている状態」になります。
このような職場が転職におすすめにはなりますが、介護経験がある人材は、個人的なスキルを伸ばしていくためのチャンスともいえますが、環境の違いに驚くこともあると思います。
未経験の方などは、前提となる経験がないため理解しやすいのではないかと思います。
そのため職場選びというのは非常に重要なのです。
参考:介護職の転職:未経験者は「教育」があれば成功しやすい理由
まとめ:介護職が身につけるべきスキル:現場で差が出るたった1つのこと
業務効率をしっかりと行なっている職場は、間違った方向でなければ介護の質も非常に高い傾向にあることがおわかり頂けたかと思います。
つまり、この「業務効率に関する問題解決能力」が介護職に必要なスキルです。
介護の質とは、今の時代でなにを指すのか?
過去、介護の質というのは「一人にどれだけ尽くすことができるか?」ということでしたが、今現在では「必要なサービスを必要な分だけ提供する」という考え方になりつつあります。
職員同士でしっかりと話すことができれば、情報共有もうまくできるのでしょうが、そのような時間も取れない職場もあります。
介護の質が、どういうものなのかということは「個人の考え方」によりますが、現在多くの介護・福祉施設では「経営」にシビアになっています。
働く人材の個人的な考え方と、職場の方針が一致しないと、転職で成功することは難しいと思います。
厳しい状況にならないように、転職活動をする際には、求人票だけで判断するだけではなく、情報収集や職場見学などを通して根拠を持って判断できるようにしていくことが鉄則ですよ。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
参考になれば幸いです。