介護の派遣職員はやめたほうがいい?将来性やキャリアについて
人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
「年齢も高いし・・・介護派遣で働くか!」
「介護派遣で働いたほうが給与が高い!」
「パート労働を辞めて、介護派遣で働くか」
介護派遣を行っている派遣会社の職員になって、派遣先の施設で働くということも選択肢としてあります。
一時期、派遣会社を通して働くことが流行った時期があったのですが、今現在でも介護派遣で働く方はいらっしゃいます。
基本的に介護派遣で働いた方が『時給が高い』ことが多いです。
この『時給が高いこと』を目的として働いている方もいらっしゃいますし、介護派遣は派遣会社が派遣先を紹介してくれることもあり、働く上でのメリットがある事も事実です。
しかし、介護人材が不足している業界事情の中で、介護派遣として働くメリットがあるのでしょうか?
今回は「介護派遣の職員として働くことについて」をテーマにお伝えをします。
・介護の仕事で派遣職員をお考えの方へ
・将来性やキャリアを気にされている方へ
・個人的にはあまり「おすすめしない」立場です。「正規雇用(直接雇用)」を考えましょう。
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介護派遣の職員として働くことの将来性やキャリア・実態について
介護派遣の職員として働くことについて、正規雇用されたり、パート労働として働くより時給が高いこともあり、介護派遣で働くことにメリットはあります。
経験的にも派遣職員を選ぶ方は「給与・時給」で選んでいることが多い気がします。
「年齢が高い方」や「待遇をしっかり保証して欲しい方」にとっては、介護派遣の職員として働くことも選択肢としては一部あると思います。
実際に介護派遣の職員は、直接的な現場の職員として働くことができますが、正規の職員ではないため、一般的にはかなりの職務制限があります。
ですので、ある程度「限定した業務をしたい方は、介護派遣での働き方でもいい」とは思います。
しかし、介護派遣の職員は「職場内の人間関係の立場」で考えると、職員の中では非常に弱い立場になります。
介護派遣の職員は、発言権がなかったり、あまり職場の人間関係の中で溶け込むことができなかったりする可能性はあります。
介護派遣である以上、その職場の責任がとれないことが根底にあるからです。
介護・福祉の業界の仕事は、必ずしも単一施設の中だけでサービスが完結するわけではありません。
そのために、いろんな他事業所と連携しながら仕事をしていくことが普通です。
ですので、職場内の組織では「同僚の事を身内」と考え「他事業所の職員を外部職員」と分ける傾向にあります。
そのために、介護派遣職員を「外部の職員」と位置づけるような職場であると、「人間関係をとりたく働いている方」は冷遇されていると感じるかもしれません。
あくまでも、介護派遣は一時的なものではあるのです。
介護派遣で働くキャリア・将来性について
介護派遣の職員として働くことは、「果たしてキャリアとして扱っていいのか?」ということです。
個人的には採用面接の際、履歴書を拝見して「介護派遣で働いていた期間」は、キャリアとして見ません。
理由は、職務が制限されている中ですので、「誰でも出来るような仕事しかしていない」と考えることができるからです。
そのためキャリアとして考えることは難しさがあります。
介護の仕事は介助だけではなく、様々な仕事が派生して生まれています。
ですので、介助だけの仕事をメインにされると介護派遣での仕事を経験・キャリアとされると難しさが出てきます。
人材に困っていない人気の職場は「介護派遣の期間」をキャリアとは扱わないと考えられます。
介護派遣の職員には、「その職場が行う職員教育などは最低限しか行われない」ことも多いです。
予算がかかる外部への研修などはまず参加はさせないでしょう。
つまり介護派遣の場合は『教育の機会』がパート労働の偏りも少ないと考えた方がいいです。
年齢が「まだ若いなら若さが武器」となり、正規職員として働くチャンスは多くあると思います。
しかし年齢を重ねていけばいくほど、介護派遣から正規雇用を目指していくことはチャンスが少なくなっていくのでしょう。
このチャンスを活かしてくれればいいですが、派遣会社とのトラブルも考えられます。
あくまでも介護派遣は「派遣会社の職員」であって、その職場の職員ではありません。
ですので、職務の制限が非常に多くあるのです。
「職務制限がなぜあるのか?」というと、派遣会社が責任をとれるような仕事でないと保証ができないからです。
介護派遣が起こしやすいトラブル
介護派遣の職員が、巻き込まれやすいトラブルとして、「事業所側(派遣先)とのトラブル」と「派遣会社とのトラブル」の両方があります。
将来性が介護派遣はあまりないと考える理由は、このトラブルが原因になることが多いからです。
1・介護派遣が起こしやすいトラブル:事業者側(派遣先)とのトラブル
事業者側(派遣先)とのトラブルで起こしやすいものとしては、雇用する理由がなくなったがために打ち切りをできるということです。
もちろん条件はありますが、正規で雇用されている職員より、はるかに簡単に派遣契約を解除することができます。
いわゆる「派遣切り」と言われるものですが、一定それは制限があるものでもありますが、実質あまり機能はしていません。
介護派遣の職員は「派遣切りに遭いやすい」といえます。
例えば、ある時期までは定員いっぱいで利用者がいたために、職員の負担が多く介護派遣を利用していたが、利用者が複数名入院したために職員が手が余る状態になってしまった。
このような場合は、介護派遣の職員はコストになってしまうために、カットすることを人事側が考えることが普通です。
もちろん配置換えなどを提案することが条件になってきますが、用意できなければ依頼を解除することも可能になります。
そのため次の派遣先が見つかるまで、働くことができないということも起きます。
2.介護派遣が起こしやすいトラブル:派遣会社とのトラブル
仮に介護派遣として働くことで、派遣先に能力を認められ、直接雇用の打診があったとします。
その直接雇用の話を進めるとするのであれば、派遣会社の職員を退職して、その職場に正規の職員として雇われることになります。
ただし、この直接雇用が起きてしまうと、派遣会社は「働き手がなくなる」ために、人材紹介料として派遣先の方に請求することが一般的です。
そのため、介護派遣の職員は派遣会社との契約が切れたと同時に、直接雇用の話を受けるということもあるでしょうが、その期間まで派遣先が待てるかというところも問題になってきます。
ですので、介護派遣で勤めてしまうと限りなく、直接雇用の機会が少なくなってしまうと言えます。
介護派遣会社で働く人材も少ない傾向にあるので、このようなトラブルが起きることも多いのです。
まとめ:介護の派遣職員はやめたほうがいい?将来性やキャリアについて
介護派遣で働くことは、諸事情もあるので選択肢としてはありえるかもしれませんが、よく考えて選択するべきです。
私の個人的な考え方では、「強い理由がない限り、派遣職員より直接雇用を目指すべき」と考えます。
個人的には介護派遣で働くよりも、パート労働で働いたほうがキャリアになり、将来性もあると思います。
基本的に介護・福祉業界は人手不足もありますので、勤め先を見つけることはあまり難しいことではありません。
難しいのは「良い職場」を見つけることです。
介護派遣として働くことになると、直接雇用のチャンスは少なくなる傾向にあります。
そして「介護派遣として働いていた期間は、キャリアとして扱っていいのか?」というのは微妙なところになります。
様々な理由から、介護派遣の職員として働くことは個人的にはお勧めしません。
「キャリアを積んで良い職場で働く」
これには転職活動をメインとすることが鉄則ですよ。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
参考になれば幸いです。