ケースワーカーを異動・退職する人が跡を絶たない理由
人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
「福祉系公務員ってどんな職業?」
「福祉系公務員を目指している!」
福祉系の仕事の中でも、公務員として活躍する仕事は、常に人気の職業でもあります。
人気である理由の主なものとして、安定していることが挙げられます。
公務員は「待遇の保障」がしっかりされており、激務になることが少ないとイメージされることが多いです。
実際には「公務員が楽である」ことはありえません。
今ではしっかりと働かないと一般市民の目というのが厳しくなっています。
またルーティンワークで誰でも出来るような仕事は、すでに委託している状況になっているため、実際には「誰でも出来るような簡単な仕事はない」という自治体もあります。
福祉系公務員の中で、多くの人に関わる福祉系の仕事として、代表的なものがケースワーカーです。
生活保護制度を担当する行政の部門などが、生活保護を担当します。
生活保護を担当している福祉職員を「ケースワーカー」と呼びます。
生活保護に関するケースワーカーは「公務員」になります。
ケースワーカーは生活保護制度を担当する福祉系公務員の職です。
今回は「ケースワーカー」をテーマにお伝えしようと思います。
・福祉系公務員を目指されている方へ
・ケースワーカーに興味がある方へ
・ケースワーカーは常に慎重な判断が求められる!
・ケースワーカーは「やりがい」はあるが激務になりやすい!
\ あなたにとって理想の職場/
ケースワーカーの仕事は「長期間」になるから異動・退職する人が跡を絶たない
今回のテーマについて「つらい」と思うのか?「別にそうではない!」と思うのかは、人それぞれです。
ケースワーカーの仕事の「つらい」ところは、継続的に「一つのケースに費やす時間が膨大である」ということです。
一般的なお仕事は、日々の「完結していく」仕事が多く「成果」を求められることが多いです。
長期的に仕事の工程を消化していく「大規模なプロジェクト」なんかは数年単位でかかると思います。
介護・福祉の仕事の多くは、職員個人の仕事で、短期間で終わるケースはあったとしても、介護・福祉の仕事の前提はチームワークで働くことにあります。
また、サービスの性質上、1日2日で終わるような仕事はありません。
短期間でも1ヶ月単位、普通は数年、長かったら何十年単位と続いていく仕事が多くなります。
介護の仕事で、一般的にイメージしやすいのは高齢者の介護だと思います。
元気なご高齢の方が、「いきなり介護が必要になる」ことはあまりありません。
通常は徐々に「老化」などにより衰えが出てきて、
1.最初は見守り程度
2.その後一部介助
3.最後には全介助
このような段階が基本的にはあります。
ケースワーカーも、段階があっていきなり生活保護を受給認定するということはありません。
この段階によってケースワーカーは判断を間違うと命に直結することもあり、神経を使う仕事が求められます。
異動・退職する人が跡を絶たないケースワーカーの仕事の実態はどうか?
最後のセーフティーネットとして生活保護がイメージされることが多いと思います。
先述しましたが、「公務員」といえば、イメージがよいかもしれませんが、福祉系公務員の中でも「ケースワーカーはかなりの激務である」ことは有名です。
生活保護受給者の方が「数日」もしくは、「数ヶ月」で自立した生活を取り戻し、生活保護に頼らないでよい生活になると思いますか?非常に難しいですよね?
年単位でかかる事が通常です。
そのまま永続的に生活保護の方々を支えることだってありえるのです。
1人のケースワーカーで、担当数は「80世帯を標準」と社会福祉法第16条では決められていますが、社会情勢によって、それを超えることもよくあります。
特に顕著に不景気になると、生活保護を受給する人は増大する傾向にあります。
2019年から始まったコロナ禍により、生活保護受給を申請する人たちが増えています。
そのため、生活保護を受給している人たちの生活状況を確認するための面談をした後に、膨大な事務処理を行うということだってあります。
生活保護を受給される方は、色々な事情がある方々がいらっしゃいます。
面談の中で、ケースワーカーに怒鳴ってくる方もいます。
生活保護は「健康・文化的な最低限度の生活を保障するため」に支給するものです。
生活保護に関しては、最低限の額ですので支給額が少ないと考える方もいます。
そのため「もっと支給してほしい!」という気持ちを、ケースワーカーは生活保護者に意見されることだってあります。
事情が事情なだけに身の危険を感じる事もあるのかもしれません。
かなりタフな仕事です。
バーンアウトしてしまい、精神的に心を病んでしまうケースワーカーもいるようです。
経済的に社会情勢が悪くなっていくと「生活保護の受給」は増える傾向にあります。
特に最近では、福祉の仕事の中でもハードな職種の一つだと考えられます。
もし幅広く仕事を検討している意向があれば、ご活用ください。
不景気で経済的なダメージが強くなってくると、「生活がままならない」方が多くなってきます。
その時に活躍するのが、生活保護を司るケースワーカーという方々になります。
しかし、その受給したい方々の「資産調査」をしたり、または生活保護を受給しなくてもいい方法を考えたり、身内の人との連絡を取ったりと、「とてつもない仕事量になる!」こともあります。
特に高齢者の生活保護が増大傾向にあります。
ケースワーカーは、安心して社会で生きていくために、大事な仕事です。
目的だけを考えれば「やりがいのある仕事」と言えますが、激務になりやすいことがあります。
対象は、生活保護受給者だけではありません。
「生活保護を認めない」という状況に、舵を切ってしまうと、困っている人々の「生活や命の危機」になることもあります。
だからといって、逆に「認定しすぎる」と今度は税金を納める「一般市民から批判」が出てきます。
神経をすり減らしながら働くことが、ケースワーカーには必要になってきます。
ケースワーカーの「人材不足が顕著」です。
多くの自治体が、非常勤職員や嘱託職員を雇って対応している状況があります。
ケースワーカーが十分に存在すると、「生活保護の人達に適正に、また時間をかけ生活保護から自立できるようにサポートする」そのような事が丁寧にできると思います。
今の状況は受給する人・申請する人に対しケースワーカーが不足している状態です。
まとめ:ケースワーカーを異動・退職する人が跡を絶たない理由
福祉の仕事の中でも、公務員が人気があることは間違いないのですが、実際に公務員だからと言って「仕事が楽だ」という事はまったくありません。
また、公務員の場合は年功序列や上下関係の規律が厳しく、公務員であるうちは良いですが、民間の企業で再就職しようとするとなかなか文化に馴染めない人も出てくると思います。
ただ単に、「なりたい!」「安定している!」などの動機ではなく「何をしたいのか?「どういう状況か?」ということをイメージされるとよいかと思います。
「福祉系の公務員が楽だ!」ということはありえないことが、おわかりになられたと思います。
反対に民間の福祉系の仕事が「全てつらい」「給料が安い!」わけではありません。
あまり介護・福祉の仕事の「イメージが良くない部分」も確かにありますが、職場環境が充実しており、「給料も以前より高く支給できる」介護・福祉系の職場も増えてきています。
そのような職場をみつけられると、福祉系公務員以外の選択肢も「介護・福祉系の仕事を続けたい!」と思うのであれば必要かと思います。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
参考になれば幸いです。